チャラ男「キミ、可愛いね!」
ギャル「超うれしー!」
チャラ男「きっと経験も豊富なんだろうね。今まで何人とヤッたの?」
ギャル「(ホントは0人だけど……)ひゃ、100人」
チャラ男「100人!? パネェ! 超パネェ!」
ギャル「でしょ~?」
ギャル「そっちこそ相当女遊びしてそうじゃん。何人ぐらいとヤッたの?」
チャラ男「え、オレ!?」
チャラ男「(ホントは0人だけど……)ひゃ、100人」
ギャル「ウッソー! 同じじゃん!」
チャラ男「これって運命かも! オレたち、気が合いそうだね!」
二人(バレませんように……)
ギャル「やっぱりさ、風俗とかよく行くわけぇ?」
チャラ男(行ったことない……けど)
チャラ男「もちろん! 毎日のように行ってるし! 今日も朝から行ってきたし!」
ギャル「ヤダー! ぜつりーん!」
チャラ男「もう巷じゃ“風俗王”だなんて呼ばれてるよ」
ギャル「キングだなんてかっこいー! しびれちゃう!」
チャラ男「へへ、いずれエンペラーになってやるよ」
ギャル「ねえねえ、風俗ってどんな感じなの?」
チャラ男「え、あ、そうだなぁ……」
チャラ男「ま、まず入ったら、席につくんだ。席には女の子のメニューが置いてあるんだ」
ギャル「へぇ~」
チャラ男「で、机にある呼び出しボタンを押すと店員さんが来てくれるから」
チャラ男「この子がいいですっていうと、希望した子が来てくれるって感じ……?」
ギャル「ファミレスみたーい!」
チャラ男(想像だけで語ってるけど、上手くごまかせてるようだ……)
チャラ男「キミこそ、水商売とかやってんの?」
ギャル(やったことない……)
ギャル「も、もちろんやってる!」
チャラ男「へぇ~、キャバクラとか?」
ギャル「そうそう、キャバクラ!」
チャラ男「指名されまくりなんだ?」
ギャル「そうなの、もう指名が多すぎて、予約しても一年待ちぐらいだから!」
チャラ男「超人気じゃん! すっげー!」
チャラ男「だけど、変なところ触ってくる男も多いんじゃない?」
ギャル「そうだね~、メッチャ多い!」
チャラ男「どんなとこ触ってくんの?」
ギャル「えぇっと……」
ギャル「も、もう全部! 頭のてっぺんからつま先まで! 余すところなく! 舐め回すように!」
チャラ男「うへぇ~、超大変じゃん!」
ギャル(ホントは男の人に手を握られたことすらないんだけどね……)
チャラ男「えぇと……これからどうする?」
ギャル「お腹すいたかも~!」
チャラ男(やべえ、こういう子がどういうとこ行きたいのか分かんねえ)
ギャル(いやらしい店に誘われたらどうしよう……)
チャラ男「……サ、サイゼとかどう? オレいいサイゼ知ってんだ!」
ギャル「サイゼいい! 最高! 文句無し! ちょうどイタリアンな気分だったの!」
チャラ男「よし決まり!」
二人(よかった……!)
店員「ミラノ風ドリアお二つでございます」
チャラ男「やっぱサイゼ来たらこれだよな!」
ギャル「うん!」
チャラ男「……」ハフハフ
ギャル「……」モグモグ
チャラ男「うめぇ~!」
ギャル「おいひぃ~!」
チャラ男「うまかったね」
ギャル「うん、おいしかったー!」
チャラ男「次……どうする?」
ギャル(振られても分からないよぉ……)
ギャル「お任せ!」
チャラ男(振られても分からないよぉ……)
チャラ男「じゃ、じゃあ、映画行こう! ラブなストーリーでも見ちゃおう!」
ギャル「行こ行こー!」
『10年……ぶりだね』
『どんなに辛くても貴方に会えるって信じてました……』
男「なんだこりゃ……」
女「ちょっとベタすぎるよね」
チャラ男(泣けるぅ~!)ウルッ
ギャル(どうしよう、涙が止まらない……!)ウルウル
チャラ男「映画……よかったね……」グスッ
ギャル「う、うん……」グスッ
ギャル「あ、だけど、化粧はげちゃった……やだ~!」
チャラ男「いや、スッピンも綺麗じゃん」
ギャル「そう? ありがとう」
チャラ男(しまった! もっと『パネェ!』とかいうべきだった!)
ギャル(こんなこといわれたのはじめて……)ドキドキ
ギャル「今度はどこ行く?」
チャラ男「えぇっと……」
チャラ男(デートで行くところなんて映画ぐらいしか思いつかないぞ……)
チャラ男(世の中の男は、みんなどこに行くんだ……? 誰か教えてくれ……!)
ギャル「行きつけの場所とかないの~?」
チャラ男「(行きつけ……)ある! あるよ!」
ギャル「どこ?」
チャラ男「図書館! オレ、いい図書館知ってんだ!」
ギャル「行こ行こ!」
チャラ男「へへ、ここオレの行きつけ」
ギャル「へぇ~、超オシャレ~! いい図書館じゃない!」
チャラ男「だろ?」
ギャル「どんな本借りるの?」
チャラ男「そりゃもう、もっぱら夜遊びの本ばかり……」
職員「この間はボランティアについての本を借りてませんでしたっけ?」
チャラ男「わーっ!!!」
ギャル「いいじゃん、ボランティア」
チャラ男「へ、へへ……サンキュー」
男児「あ、お兄ちゃんだ!」
女児「また絵本読んで~」
チャラ男(わっ、こいつら! いたのか!)
チャラ男「悪いけど、今デート中だから……」
ギャル「アタシのことは気にしないで。読んであげなよ」
チャラ男「マジごめん! じゃあ≪ごんぎつね≫から……」
男児「ワーイ!」
女児「やったー!」
チャラ男(ふう……絵本10冊も読むはめになっちゃった)
ギャル「朗読超上手かった~! やるじゃん!」
チャラ男「サンキュー。んじゃ、二人で小説でも読もう」
ギャル「そうしよ!」
二人(読書は静かに……)
チャラ男「……」ペラ…
ギャル「……」
チャラ男「……」
ギャル「……」ペラ…
ギャル「小説面白かったー! いい図書館だったね!」
チャラ男「だろ? マジパネェっしょ」
ギャル「あっ、もうこんな時間だし、二人でご飯行かない?」
チャラ男「どっか行きたいとこある?」
ギャル「んー、任せちゃう!」
チャラ男(任せないでくれ……。どうしよう……)
ギャル(任せちゃったけど……変な店連れていかれたらどうしよう……)
チャラ男「じゃあ……サイゼでどう?」
ギャル「行くー!」
店員「ミラノ風ドリアお二つでございます」
チャラ男「昼も食べたけど、やっぱこれだよな!」
ギャル「うん!」
チャラ男「……」ハフハフ
ギャル「……」モグモグ
チャラ男「二度目でもうめぇ~!」
ギャル「二回目でもおいひぃ~!」
チャラ男「おいしかった……サイゼってパネェわ。マジイタリアンだわ」
ギャル「ホント、サイコーだったね」
チャラ男(この後はいよいよ……)
チャラ男「じゃあさ……」
チャラ男「ホ」
ギャル「ホ?」
チャラ男「ホ、ホ、ホテルでも……行かない?」
ギャル「……い、いいよ」
チャラ男「! じゃ、じゃあ……泊まれそうなとこ探そう!」
キラキラキラキラキラ…
チャラ男「ここがラブホテルか……」
ギャル「超……派手だね……」
チャラ男(こんなとこ入るの……?)
ギャル(怖い……)
チャラ男「あのさ、やっぱオレらくらいになると、こういうとこはかえって飽きちゃったっていうか……」
ギャル「分かる! もう飽き飽き! アタシらにはちょっとねー!」
チャラ男「やっぱビジホにしよ、ビジホ!」
ギャル「さんせー!」
チャラ男「……」ドキドキ
ギャル「……」ドキドキ
チャラ男(ついに生まれて初めて、女性と二人きりで外泊することになってしまった……)
チャラ男(とりあえず……)
チャラ男「先にシャワー浴びてこいよ」
ギャル「そうする」
ザァァァァ…
チャラ男(“一生に一度言ってみたかった台詞”の夢が叶った)グッ
ギャル「あー、さっぱりした!」
チャラ男「じゃあ……オレもシャワー浴びてくるわ」
ザァァァァ…
チャラ男「さっぱりした!」
ギャル「ねー!」
チャラ男「あ、スナック菓子食べる?」
ギャル「食べよ食べよ!」
チャラ男「ビジホで食べるスナック菓子って普段の三倍おいしいよね」ポリポリ
ギャル「超分かるー!」ポリポリ
チャラ男「じゃあ……寝ようか」
ギャル「そうだね、おやすみー!」
チャラ男「……」ドキドキ
ギャル「……」ドキドキ
チャラ男(無理だわ……迫るなんてできねえわ)
ギャル(無理……もし迫られたら泣いちゃうかも)
チャラ男「ま、まあ、オレらほど遊びを極めてると、あえて何もしないで寝るのもアリだよね」
チャラ男「あえてプラトニック的な? 略してあえプラ!」
ギャル「うんうん! あえプラ賛成! 自分のペースでいこ!」
二人(よかった……!)
チャラ男「……」ドキドキ
ギャル「……」ドキドキ
チャラ男「だけどさ……手くらい、繋いで寝ない?」
ギャル「う、うん……」
ギュッ
チャラ男(お母さん以外の女の人の手を握るのはじめてだ……)
ギャル(意外と大きくて温かい……)
チャラ男(手を握る以上のことをしたいけど、焦ることないよな……)
ギャル(だって、これでも十分幸せなんだから……)
チャラ男「じゃあさ、二人で話でもする?」
ギャル「しよしよ!」
チャラ男「それじゃ、とっておきのオリジナル落語を……」
…………
……
チュン… チュンチュン…
チャラ男(ベッドで手をつないだまま、朝を迎えてしまった……)
チャラ男「これが“朝チュン”ってやつか……案外いいもんだね」
ギャル「ホント……アタシ超満たされてる……」
チャラ男「また……二人で一緒にホテル来ような」
ギャル「うんっ!」
二人(そしていつか……“一人目”の相手はもちろんこの人で……)
おわり
この二人パネェわ!
楽しかった
元スレ:http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1580401389/
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