とりあえずスペックを書いていく
俺 22歳 今年ってか今日から社会人の何の変哲もないフツメン
174cm 65kg
嵐の二宮に似てるって言われたことがあるから以後二宮にする
相手 22歳
特別かわいいとかではないけどかわいい
だれに似てるとかは聞いたことないから仮名として三浦にしとく
書き溜めてないから遅くなる。
初めて三浦と会ったのは中学2年だった
同じ塾に通っててたまたま同じクラスになったんだ
この時期に会ったという明確な時期はあんまり覚えていないんだが中2だったのは覚えてる
こんなもんだから特に接点とかなかった。こんなやついるな~程度。
俺は中2の頃は勉強なんて全然してなかったし塾なんて行って授業受けて帰るだけの場所に過ぎなかった。
他中の男友達と少し話して帰る、そんな生活だった。
まあ中2の頃は本当に初めて会ったくらいの記憶しかない。
何か話したことがあったとしてもほんの少しだけだろうな。
そんなこんなで俺は中3になった。
中3の夏、俺はバレー部だったんだが俺の中学は弱小校なので予選負けしてあっけなく部活引退。
それと同時に受験生としての勉強生活が始まった。
というのも俺は中2の頃はそこそこ勉強ができていて塾ではクラスで1位をとったりもしたことがあった。
塾に行き授業を受けて終わり。宿題だってたまにサボることもあった。
天狗になってた俺は結局夏休みが終わるまで大して勉強をしなかった。
夏休み勉強をしてこなかった俺は当然のことながら散々な結果に。
俺の塾は各クラスで最下位付近の人以外は席を前列から順に埋めていく方式で席が決まっていた。
俺は真ん中かそれより後ろくらいの位置にいた。その時俺の隣に座っていたのが三浦だった。
「よろしく」とかその程度の会話を交わした気がする。
ただ席も隣になったし、学校や性別は違うといえ同じバレー部だったということから何となく会話をしていくようになっていった気がする。
というのも俺は小学校の頃から行きたい高校があったのだが偏差値が高く当時の俺では合格はまず不可能なレベルだった。
偏差値が15ほども足りなかった俺はここからマジで勉強するようになった。
12月頃には三浦と隣になっていなかったが普通に話す程度には仲良くなっていた。
当時流行っていた「前略」とかいうプロフィールをみたなんて話をしてゲラゲラ笑ってた。
正直この頃には三浦のことが気になっていた。
俺は女子と話が続くと「あれ、もしかしてこいつ俺に気がある?」とか思っちゃう病気なのである。
まあなんだかんだで年が明けて1月、いよいよ私立高校の入試が始まる月となった。
そんなある日俺は三浦と別の男友達の小沢ってやつと塾で遅くまで話してた。
小沢「そういえば俺の中学の○○ってやつさ、家がめっちゃ大きいんだよね!」
三浦「ね!あの家すごい大きいよね!」
小沢と三浦は同じ中学だったのだが俺は違う中学なのでもちろんわからなかった
俺「え?そんな大きいん?いうて敷地広いとかだけだろw」
三浦「じゃあ二宮一緒に見に行く?」
俺「行く!」
そんなんで俺は全然違う帰り道を3人で自転車こいでいた。
塾から10分くらいこいだところにあったその家は本当に大きかった。
俺は田舎に住んでるのだがその田舎ではあまり見ないような家だった。
俺「え・・・マジで大きいな・・・wちょっと感動したわ・・・wなんか泣けてきた・・・w」
三浦「そんな反応するとは思わなかったwww」
小沢「マジで大きいよな~。まぁ会社開いてるくらいだしね」
こんな感じの会話をしていた。
その後近くにあった神社に行って3人の合格祈願をしようってことになった。
しかし俺はビビりなので明かりがあるとは言え怖くなった。
俺「なぁ、みんなで手つないでいかない?怖いわ・・・w」
素で言ってしまいその後すぐに気づいた。俺女子と手つないだことねぇよ・・・。
小沢は男なのでもちろん余裕で手をつないだ。俺はその後に三浦を見た。
三浦「え~手袋するならいいよ~w」
この頃の俺は冬なのに手袋をしないバカであった。その時思った。
あぁ、こいつは手袋ないと俺と手つなぎたくないんだな・・・って。
若干ショックを受けたがまぁ当たり前っちゃ当たり前かと思って手袋をした。
手をつないで俺らは賽銭箱の前まで行った。
3人は一緒にお金を投げて夜中にもかかわらずガラガラと鐘を鳴らしていた。
駐輪場までももちろん手をつないで行ったが小沢は手を放していて俺は三浦と2人で手をつないでいるというシチュエーションになっていた。
初めて女子と2人で手をつないでいた。顔には出していなかったが心の中ではめちゃめちゃに嬉しがっていたw
その後は近くの公園で3人話していた。
冬の夜でしかも外だったのでそれは寒かったがすげえ楽しかった。
違う中学の人たちでもこんなに楽しく話せるんだなって思った。
しかし俺は当時中学生、23:30くらいには親から早く帰ってこいとメールが来たので解散した。
小沢は公園のすぐ近くに家があったので俺は三浦と2人きりになった。
三浦「うちが二宮の家まで送る!w」
こんな感じの会話が5分くらい続いて結局互いの家の間くらいで解散という形になった。
楽しかったな~なんて思いながら家に帰ったら母親から遅いと怒られた、サーセン。
この頃にはすっかり三浦と仲良くなっていた。
仲良くなった大きなきっかけってのを思い出せないんだがなんでかよく話すようになった。
そして人生初の入試が来た。同じ週に滑り止めとチャレンジ校の2つの入試があった。
結果は両方とも合格した。チャレンジ校は9月の時点ではまず受からないレベルだったので俺は嬉しかった。
三浦は滑り止めで同じ高校を受けていたのでお互い祝った。
俺のチャレンジ校が受かったことにはおめでとうを言ってくれて嬉しかったのを覚えている。
時は過ぎて2月、俺は重大なイベントを控えていた。
そう、バレンタインデーだ。
正直言って俺は三浦からもらえるだろうと思っていた。塾の中でも男子の中では一番に仲がいいと思っていたからだ。
そして2月14日、塾での授業を終えた俺は帰るわけでもないのに一人外に出ていた。
「みんながいる場所ではチョコレート渡せないしなwww 1人になっているかwww」
なんて思っていた。しかし5分くらい待ってても三浦は来なかった。
「あぁ、あいつは俺のこと好きじゃなかったんだなぁ・・・」なんて若干へこみながら俺は塾に戻っていった。
もうこの頃には俺は完全に三浦のことが好きだったんだと思う。
俺は塾で数十分の自習をした後に帰った。塾のドアを出て階段を下りていたら後ろに三浦が歩いていたのを見た。
俺「三浦も帰るんか?」
三浦「うん!お母さん迎えに来てるからね~」
俺「そか~じゃまた明日な~」
俺は淡い期待をしていた。ひょっとしたらチョコレートが・・・!なんてな。まぁもちろんもらうことはなかったけど。
俺はローソンで明治の板チョコを買って寒空の下で自転車こぎながら食っていた。
家について飯を食い終えた俺は前略を見ていた。
自分が前略をやることはなかったんだが人のプロフィールを見ているのは面白かった。
そんな時三浦の前略が更新されていたので見ていたんだ。
なんか三浦の前略にdecooていうtwitterみたいなコンテンツのリンクが張ってあったので何気なく踏んでみたら驚くべきことが書かれていた。
「塾のときバレンタイン渡せばよかったなー」
俺は舞い上がった。冷静に考えれば俺の可能性ではないことも十分にあったのに俺はこれだけで嬉しかった。
もしかしたら明日になったらくれるんじゃね?とか思ったりもした。
が、結局次の日になっても貰えなかったので「俺のことじゃなかったのか・・・」と落胆した。
そしていよいよ公立高校の入試が訪れた。
小学校からあこがれていた高校だ。気合は十分だった。
まずまずの手ごたえを感じていた。自己採点では昨年の合格点に達していたために少しだけ自信があった。
そして合格発表の日、高校の掲示板に俺の番号は、無かった。
10回くらい自分の受験票と掲示板を目が行き来していたと思う。
泣きこそしなかったが心が無になっていた。
母親に落ちていたとメールをしたらわかったと絵文字付きでメールが返ってきて、俺はここで崩れてしまった。
家に帰ってからも俺は落ち込んでいた。高校のレベルを下げればよかったとさえ思っていた。
というのも俺は公立高校に行くもんだと思っていたからだ。私立高校は金銭的に負担が大きくなるとガキながら生意気なことを考えていた。
とりあえず塾に電話をした。塾長は本当に残念がっていた。誰かに期待されていたと感じたのは初めてだった。それ故に罪悪感が半端なかった。
この日の俺のメンタルは最高に参っていた。誰とも話さず部屋に引きこもっていた気がする。
「あの時もっと頑張っていれば・・・」なんてありきたりな後悔が俺を襲っていた。
次の日俺はいつも通り学校に行った。
俺はクラスで第一志望校に行くなんてでかでかと宣言していたので周りのやつらの空気は重かった。
「第二志望の高校も頭いいんだし全然いいじゃん!」なんてよく言われた。
「まぁそうだよな!そこで頑張るわ!」なんて返してたけどやっぱり心は受け入れていなかった。でも受け入れるしかなかった。
放課後には先生との面談があったが何を話していたか覚えていない。
でもクソ生意気だった俺を2年間も見ていてくれた先生だ、本当に感謝しかしていない。
こうして俺の高校受験は終わった。
卒業式目前のときに塾がお疲れ様会を開くということになった。
その頃にはすっかり立ち直っていた俺はその会に参加することになった。
「小6から通っていたこの塾ともお別れか~」なんて思っていた。
ケーキとかジュースの買い出しを一通り終えたときに塾で三浦に会った。
この時俺はもうこいつに会えなくなると思った瞬間すごい寂しくなった。
「最後に気持ちを伝えよう・・・」と考えていた俺はお疲れ様会の時ずっと三浦と話してたと思う。
会を抜け出して2人で話したりもしてた。でも自分から告白したことがなかった俺は言えなかった。
「早く言わないと・・・」
そんなことを思っていたがやっぱり言えなかった。時間だけがいたずらに過ぎていった。
ついにお疲れ様会は終わってしまった。みんなが帰っていく中俺は三浦と話していた。
俺「まだ帰らないの?」
三浦「うん。今日は迎が来るんだ~」
俺「そっか。じゃあ三浦が帰るまで俺も残ってようかな!」
言わなきゃ・・・!でも言えない・・・。
何度思っていたかわからない。そのうち三浦の迎えが来てしまった。
三浦「二宮じゃあね!」
俺「おう!じゃあな!」
結局言えなかった。まぁこんなもんか・・・なんて思ったりした。
三浦から告白されなかったことからやっぱあいつは俺のこと好きじゃなかったんだなと思った。
どこまで自意識過剰なんだか・・・w
よくよく考えれば俺はメアドも電話番号も知らなかった。
それなのに俺のことが好きだと思っていたこと自体間違いだったのかもしれない。
「三浦は俺のことが好きなはずだから聞いてくるだろ!w」と思っていたが、とうとう聞くことはなかった。
自意識過剰な性格故に俺は自分が損をしていたと気づいた。が、悔やんでも仕方なかった。
こうして俺は中学を卒業した。
誰も見てないと思ってたから見てくれる人がいて少し安心したw
見てくれる人いるかわからんがとりあえず続き書く!
卒業した後はクラスのやつらと毎日のように遊んでた。
ボウリングに行ったり友達の家に泊まりに行ったりなどなど。
その頃の俺は第一志望を落ちたことを受け入れ第二志望の高校で頑張ろうと決意していた。
そんなある日、塾から電話がかかってきたんだ。
第一志望に不合格になってしまった生徒には1年間授業費をタダで塾に行ってもいいというもだった。
母親は二つ返事で了承し、かくして俺は高校1年でも塾に通うことになったのだ。
塾での諸手続きが必要になった俺はすぐに塾に行った。
「久しぶりに来たな」なんて思いながら塾のドアを開けたらそこには三浦が建っていた。
三浦「あれ、二宮じゃん!どうしたの?」
俺「1年間塾がタダらしいからそれで来た~」
三浦「あ、うちもそう!また1年一緒じゃん!よろしく!」
俺「だなw とりあえずなんか書く必要あるらしいし事務室いこw」
こんな感じで三浦と再会を果たした俺は少し心が躍っていた
そんなある日、俺は友達が三浦の卒アルの写真を撮ったと言ってきた。
その友達の名前は津田にしておく。こいつは今でも友達で本当にいいやつだ。
津田「三浦の卒アルの写真ゲットした!」
俺「え、見せてよw」
俺は卒アルの写メを送ってもらった。
この写真を本人に送って少しからかいたかったんだが、如何せん俺はメアドも電話番号も持っていない。
そこで俺は同じ中学で三浦と仲の良い女子にこんなメールを送った。この女子は船橋とする。
俺「これ三浦に送って!w」
こんな文章とともに卒アルの写真を添付してメールした。
船橋「いいけど怒られても知らないよw」
俺「大丈夫だよwww」
俺はちょっとした悪戯心で卒アルの写真を送ったんだが、予想外の返事が返ってきてしまった。
船橋「三浦怒ってたよw」
俺「え、まじ?」
船橋「とりあえず謝ったら?w」
こんな感じで俺は船橋から三浦のメアドをもらった。
メアドをゲットできたことは嬉しかった。が、怒っている女子にメールを送るのは果たしてどうなのだろうか・・・。
少し悩んだ後に俺は意を決して三浦にメールを送った。
俺「あの、すみませんでした。」
普段からふざけている俺にしてはかなり真面目に謝っていた気がする。
三浦から嫌われたくなかったしな。
すごい心配してたのにあっけない返事が返ってきた
三浦「全然怒ってないよ!w あ、でもちょっとムカついたw 二宮の写真もちょうだい!」
俺「怒ってないんか、良かったわw あと俺の写真は上げねーよ!w」
ほっと一息、特に怒っていなかったらしく俺は安心した。
これが三浦と初めてしたメールだった。
高校入学して1週間後くらいに塾があった。
俺は塾に行く前にゲームセンターに行ってた。
UFOキャッチャーを見てたら今すぐに取れそうなピカチュウのぬいぐるみを見つけた。
挑戦していたら200円くらいでそのピカチュウをとれた。
UFOキャッチャーでぬいぐるみをとったのは本当に久しぶりだったので1人浮かれていた気がするw
そして高校での塾が始まった。初日は説明的な感じだったんだ。
学校のレベルで塾のクラスを変えるようなものだった。要は学力で上下のクラスに分類されるってことだ。
俺は上のクラスになったのだが三浦は下のクラスだった。結局クラスは変わってしまったので塾でも会うことはあまりないななんて思った。
この日は全クラス共通の説明だったので三浦もいた。
三浦「そういえばこの間の卒アルの写真だれからもらったの?w」
俺「それは秘密~w」
三浦「いいじゃん!教えてよ!w」
俺「じゃあ3人挙げてみ!当たってたらこのピカチュウあげるよw」
俺はバッグの中からゲーセンで獲ったピカチュウを出した
三浦「絶対だからね!今は考えるからあとでメールする!」
こんな感じで三浦は帰った。
俺はこのピカチュウを結構気に入っていたので正直上げたくなかったが当たらないだろうなとも考えていた。
俺は家についた後三浦からのメールを待っていた。
しばらくしてから三浦からメールが来た
最初の2人は外して最後の1人となった
三浦「えー、じゃあ津田!」
俺「おー正解 やるじゃんw」
三浦「やった!ピカチュウね!w」
俺「はいよw 明日塾にいる?」
三浦「いるよー。じゃあ明日ね!」
こうして俺はピカチュウを渡す約束をした。
俺はこのピカチュウを気に入っていたので次の日学校が終わってからゲーセンに行って再度ピカチュウをとろうとした。
しかし当時は高校生、十分な金もなく結局取ることはできなかった。
俺は1つしかないピカチュウを渡すことになった。
すみません用事が少し長引いてしまいました。続き書きます。
俺は1つしかもっていなかったピカチュウを持って塾に向かった。
塾に着くと授業が始まる前の三浦がいた。
三浦「ピカチュウ持ってきた~?w」
俺「持ってきた!ほいよw」
三浦「かわいい~!ありがと!!」
1つしかないからなぁとか思ってたけど喜んでくれてたのでそれで満足だった。
考えてみれば女子に何か物を上げたのは初めてだった。
三浦は授業に向かったので俺は家に帰った。
授業が終わったころに三浦からメールが来た。
三浦「ピカチュウありがとうね!めっちゃかわいい~」
俺「おう!大切にしてくれよー」
わざわざメールまで送ってくれて律儀なやつめw なんて思ってたりしてた。
decooを見てみたら二宮からピカチュウもらったなんて写真まで上げてた。
本当に喜んでくれたようで俺としてもすごくうれしかった。
この頃には俺は三浦とよくメールをするようになった。
俺は三浦にだけメールの際によく絵文字を使ったりしてたw
件名の欄に増えていく Re: の数だけ俺は楽しくなっていた。
4月も終わりそうなある日、俺は勇気を出して三浦にGWの予定を聞いてみた。
俺「そういやGWって暇な日あるん?」
俺はすごい緊張してた気がする。女子に予定を聞くのは何でもないのに三浦となると話は別だった。
三浦「4日なら暇だよ!」
俺「じゃあさ、もしよかったら俺とどっか行かない?嫌なら大丈夫!」
嫌なら大丈夫、なんてフレーズ普段使わねーw とか思ってた。どんだけ慎重なんだって感じ。
三浦からの返事が待ち遠しくも怖かった俺、しばらくしたら三浦からメールが来た。
三浦「いいよ!男子ってどこ行ったりするの~?」
俺は心の中でガッツポーズをした。初めて三浦と2人で過ごす日となったからだ。
ガッツポーズをしたのもつかの間、どこに行くのという単純な質問に俺は困った。
考えてみれば俺は遊ぶにしてもゲーセンか友達の家で遊ぶかどっかで適当に話したりするだけだった。
そんな時、俺の友達である津田が当時散歩にはまっていたことを思い出したのでそれを引用した。
俺「ゲーセンで遊んだりかなぁ。あとは散歩とか!」
三浦「じゃあ散歩しよ!」
俺「おっけ!俺午前は部活だから午後からでいい?」
三浦「あ、じゃあ私も少し用事あるからその時終わったら連絡するね!」
俺「はいよ!」
散歩、ナイスだぜ津田・・・w。そんなことを思っていた。
そして5月4日、俺は部活に向かう前にメールした。
俺「部活は13時には終わるから、用事終わったら連絡して~」
三浦「わかった!部活頑張ってね~」
この日の俺は異様にテンションが高かった気がする。
そりゃそうだ、好きな人と2人で過ごせるのだからな。
俺は15年生きてて初めて好きになった人がこの三浦だった。
初めての好きな人と初めて2人で過ごす、すごい幸せなことだなと感じた。
部活終了後、俺は学校近くのマックで部活の友達とモンハン3rdをやっていた。
15時過ぎくらいに三浦からメールが来た。
三浦「終わったよ!今どこにいるの?」
俺はすぐに返したかった。だがすぐに返すと急かしているような気がしたので20~30分くらい後にメールを返した。
俺「今マックにいるよ!」
三浦「え?それ大丈夫なの?」
俺「今から帰るよ!ごめん!急ぐ!」
俺はすぐに帰った。家についたのは16時過ぎだった気がする。
俺「今家についたわ!三浦の家ってどこから近い?」
三浦「サンクスとか近いよ!」
俺「え、サンクスなんてあるの・・・?俺わからんわ・・・」
三浦「えーw じゃあ大きい病院でいいよ!二宮近いでしょ?」
俺は病院だとありがたかった。が、俺はかっこつけたかったので三浦の家から近いところを待ち合わせにしたかった。
俺「いや、三浦の家から遠いでしょw 他にない?」
三浦「じゃあ○○マンションは?」
俺は正直このマンションも知らなかったがこれ以上知らないというとダサく感じたので知ってるフリをした。
俺「おっけー!じゃあそこ集合な!俺はもう家出るわ!」
三浦「まじ!じゃあうちもすぐ家出る!w」
俺「急がなくていいわw ゆっくりこいw」
三浦「急ぐ!w そういえば二宮は制服?」
俺「部活帰りだし俺は制服だよ~」
三浦「じゃあうちも制服で行く~」
ハッ、これは制服デートなのでは・・・?なんて思ったりしたのは内緒。
俺はマンションがどこにあるかわからなかったのでYahoo!地図で検索し家からのルートを確認した。
結構遠くね?と思った俺は場所を確認するや否や急いで自転車をこいだ。
そしたら思った以上に近く家から2分ほどで着いてしまった。
三浦はまだいなかったので俺は近くにあるファミリマートで板チョコを買った。
俺は中3の頃にデスノートを初めて読んだんだがその時メロがよく板チョコを食っていたのに感化されてそこから板チョコを食いだした。
俗に言う中二病なのであった。
板チョコを買い終わった後に携帯を見たら三浦からメールが来ていた。
三浦「まだ着いてない?」
俺「ごめんファミマ行ってたw すぐ行く!」
俺は板チョコをポケットにしまってマンションまで走った
マンションに着いたら三浦が立っていた。
俺「ごめん!チョコ買ってたw」
三浦「チョコ好きだねw いつも食べてるじゃんw」
俺「まあなw チョコいる?」
三浦「じゃあちょっとだけもらう!あんまり多いとなんか変な感じになるから本当に少しでいいよ!w」
俺「なんだそれwww」
そんなことを言いながら俺は4分の1ほどを割って三浦に上げた。
こうして俺たちの散歩が始まった。
散歩は本当にただの散歩だった。歩きながらただ話すだけ。たまにベンチに座ったりした。
それがすごい楽しかった。このまま永遠にこの時が続いてほしいとさえ思った。
人通りの少ない道を歩いてた時、俺は告白しようと思った。
でも俺はチキンだから結局言えなかった。言えないまま結局待ち合わせ場所に戻ってしまった。
俺「今日はありがとね!折角だから家まで送るよ!」
三浦「ありがと!でも家見られたくないから家のすぐ近くでバイバイね!」
俺「見られたくないってなんだよw んまいいやんじゃそーするか!」
俺は三浦の家の近くまで送った。解散するときになっても結局言えなかった。
俺は告白することが怖かったんだと思う。俺は1人トボトボ自分の家に向かって歩いた。
帰ってる最中に三浦からメールが来た
三浦「今日はありがとね!楽しかったよ!」
俺「俺も楽しかったよ!ありがと!」
告白できなかったけど今のままでも楽しいからいいか、なんて考えてた。
いつでも誘える、いつでも時間取れる、そんな風に考えていた。
そもそも人と付き合ったことがなかったからどうしたらいいかわからなかった。
中学では2回くらい告白されたが全部断ったし、多分俺は彼女とか向いてないなんて考えてた。
そんな感じで散歩後もいつもと同じような日々が続いていた。
ある日俺はどうしても気になったので俺はメールで聞いてみることにした。
俺「そういえば三浦は好きな人いるの?」
なるべく平静を装っていた。そんなわけないのに。
三浦「うちはいるよ!二宮は?w」
本当ならここで俺は三浦のことが好きだと言うべきだった。でもチキン名な俺はやはり言えなかった。
俺「今はいないよw」
三浦「なにそれーw てかうち二宮に言いたいことあるんだけど恥ずかしいんだよなぁ~w」
俺「なんだよ言えよw」
なんで気付かないかなぁ、俺
三浦「じゃあ・・・私と付き合ってください!w 返信はいらないです!w」
飯急いで食ったから許してw
続き書いていきます
俺は一瞬意味が分からなかった。
3分くらいは携帯の画面を眺めていたと思う。
返信しなくていいってのは特にそう思ってないけどつけたんだろうなと考えて俺は返信した。
俺「冗談?それともガチ?w」
もっと気が利いた返信できねえのかよ・・・
俺はこんな感じで返信した。
三浦からすぐに返信が来た
三浦「好きな方で考えてw あと返信本当にしなくていいから!」
俺はわからなかった。好きな方ってなんだよ・・・って。
好きな人からの告白は本当に嬉しかった。人生の運をすべて使ったんじゃないかとすら思った。
俺はどうしたらいいかわからなかった。返信いらないってなぁ・・・って感じだった。
俺は船橋にメールをした。船橋は三浦と仲良いし言っても大丈夫だと思った。
俺「俺いま三浦から告られたんだけどさ、どうしたらいいかな」
船橋「自分で考えたら?」
なんて冷たい女だなんて思ったが何も言い返せなかった。自分で考えろなんて当たり前だったからだ。
30分くらいぼーっとしてた。どうしようかなとかマジで返信いらなそうだとか考えてた。
なんとなく三浦のdecoo見てたら「返信しろ馬鹿!」って書いてあった。
結局こういうところが疎くてダメなんかって思いつつメールを打った。
俺「あの、今大丈夫?」
三浦「うん」
俺は考えた。考えた結果の返事を送ることにした。
好きな女の子から告白されることなんて人生で1回あるかないかだろう。
両想いであるとわかった俺は、必死に考えて、何が最善かを考えてメールを送った。
俺「俺も三浦のこと好きだけど付き合えない。ごめん。」
俺は本当に嬉しかった。人生のピークだっただろう。
俺は三浦と付き合えたら本当に幸せだったと思う。
でも三浦を幸せにできるかわからなかった。俺では三浦を幸せにできないかもしれないと考えた。
本当に、本当に好きなら、三浦に幸せになってほしい。
初恋の人だった。一生忘れないだろうと思った。
三浦「そっか。わかった、ごめんね。」
俺「今度は俺から告白するから!約束!」
三浦「約束だからね!絶対だよ!w」
俺はこの約束は絶対に守ろうと思った。絶対に忘れない、そう心に誓った。
次の日、三浦が塾の日だったんだけど俺はメールを送った。
俺「よかったら一緒に塾行かない?」
三浦「いいよー。またあのマンション待ち合わせでいい?」
俺「うん、じゃあ20:30くらいに待ってるから」
なんとか会う約束をすることができた。
この時少し遅れそうになって走ってマンションに向かってたんだけど部活の疲れがたまってたのか途中で足がつってしまった。
足つったけど時間遅れそうだったからつった足で走ってた。
1~2分くらい過ぎたんだけど俺が先についてたからとりあえず一安心。
俺がついてから5分後くらいに三浦が来た。
三浦は少し俺から距離をとってた
俺「よっ、時間あんまないしもう行くか」
三浦「うん・・・」
歩き出したとき三浦がいきなり口を開いた
三浦「告白しなきゃよかった!」
何も言えなかった。逆だったら多分俺もそう言ってたと思う。ごめん以外言葉を失っていた。
少しの沈黙の後会話しながら塾に向かったけど楽しいとはとても言えなかった。
塾の帰りは三浦は船橋と一緒に帰ってて、俺は1人で自販機で買ったCCレモンを飲みながら帰ってた。
何してんだ俺はとずっと思ってた。
三浦「テスト近いし勉強するからしばらくメール送れなくなる!」
ある日突然こんなメールが来た
俺「わかった。テスト頑張ってな!」
うすうす気づいていた。多分これはもうメールをしないという意味合いだろうと。
俺は一縷の望みを抱いてテストが終わったらメールが来ると思ってた。
しかしテスト期間が終わってもメールが来ることはなかった。
俺からメールを送ることもできなくなっていた。確実に大きな溝ができていた。
夏休みに入ったとき俺は校外学習で名古屋に行った。
夏休み初日からなんで校外学習やねんとか思ってた。
校外学習最終日、俺は三浦にお土産を買おうと思った。
しゃちほことスティッチのが一緒になったストラップを買った。
夏期講習になったら多分あいつに会える。その時に渡そう、そんな風に考えてた。
夏期講習初日、2日目、結局渡せなかった。
いつまでこんな風な日々が続くのだろうかと考えた。多分一生だろう、お土産渡すのはいつの間にか諦めていた。
8月のある日、地元の公園で小さな祭りが開かれることを知った。
これしかないと思った俺は三浦にメールを送った。
俺「8月●日空いてない?」
三浦「ごめん、その日は友達と祭り行くんだ!」
俺「そっか、俺もまつりに誘おうとしたんだけど友達と行くのか。わかった!」
遅かった・・・。でもメールできたし、もしかしたら2学期からは普通に接することができるかもとか期待してた。
しかしそんなことはなかった。これ以降俺は三浦と連絡を取ることはなかった。
遅くなりました。続き書きます。
ついにメールを送ることなく高校2年になった。
学校では部活に後輩も入ってきたし俺は先輩になったのだと実感した。
塾では俺は上のクラスについていくことが難しくなったから下のクラスに下げた。
1年間の無料期間を終えた俺は塾をやめると思ってたら親が続けると言い出したのでこの判断に至ったのだ。
下のクラスに行くとそこには三浦がいた。
俺は話そうかと思ったが無理だった。
まぁ1年もあればどこかで話す機会くらいあるだろう、そんな風に思ってた。
しかし現実はそんなに甘くなかった。
5月、6月、7月となっても俺は三浦と一言も交わすことがなかった。
喧嘩したわけでもないのにいつの間にか俺は三浦にとって赤の他人になっていた。
話しかけようと思えばいつでも話しかけられたのに俺は話しかけることができなかった。
チキンな俺は理想と現実を行ったり来たりだった。
そして10月、俺は同じ部活の1歳下のマネージャーに告白された。
入学してから半年くらいなのに10近くから告られてたらしい。
でも、かわいいけど年下だし、同じ部活とはいえすごい仲良くなるというほどのイベントもそれまでなかった。
強いて言えば一緒に帰ってあげたくらいだろうか。
俺は断ろうと思ってた。けど、三浦のことを思い出してしまった。
ここでまた振ってしまったら、普通に接していたのにまた険悪な雰囲気になってしまうのかと考えてしまった。
俺は同じようになることを恐れてしまった。
1日考えた末にOKした。これが初めての彼女であった。
でもいつまでも過去にとらわれてても仕方ないかと考えた。
実際三浦は俺のことがもう好きではなかったことを風のうわさで知っていた。
初恋は実らないなんてよく言われているが俺もそのうちの1人になってしまったんだと割り切って諦めた。
俺は彼女と真摯に付き合おうと思った。
部活帰りはいつも一緒に帰ったし、休みの日はデートなんかに行ったりもした。
塾で毎回会う三浦のことはもう忘れようとしていた。
この頃塾の形態が少し変わって某有名予備校の衛星授業になった。
つまり集団で授業を受けるわけではなく個人が個人のレベルにあった授業の映像を見るというシステムになったんだ。
このこともあってか俺はもう三浦を意識することは殆どなかった。
6月になれば部活を引退して彼女と会う機会も必然的に減った。
この頃から少し喧嘩が増え始めた。会えなくなる日々が続くってこういうことなんかなって思った。
そして夏休みに入った。
夏休みは毎日塾に行った。といっても正直行っただけと言う方が正しかった。
自分の学力を上げるためというわけではなく課されたノルマをクリアしていくというルーティンだった。
その日その日をどう乗り切るかを考えていた俺は当然のことながら学力は全然上がらなかった。
彼女とは2回くらいだけ会った。そのうちの1回は一緒に野球を見に行った。
俺は初めて生の大谷翔平を見て感動したのを今でも覚えている。
でも相変わらず喧嘩は多かった。些細な喧嘩をしては仲直りしての繰り返しだった。もうそろそろ終わりかなとか考えてた。
そんなこんなで作業な毎日だった夏休みも終えて2学期、いよいよ周りは受験一色という感じになっていた。
9月になると彼女の男遊びも少々ではあるが増えていった。
俺は受験勉強ということで毎日塾に通っていた。
俺が忙しいのに彼女がほかの男と遊んでいるという事実に腹が立っていたが言ったところで何も変わらなかった。
まぁ俺が忙しくて会えなくなったんだしいつかこんな日は来るだろうなとは少し予想していた。
そんなある日、映画STAND BY ME ドラえもん が公開されたことを俺は知った。
俺はこの映画を見たかったのだがクラスの女子がちょうど見たいと言っていたので一緒見に行くことになった。
毎日塾行ってるし今日くらいはいいだろうと思って映画を見に行くことにしたんだ。
彼女に対しての罪悪感は少しだけあったが向こうも他の男と遊んでるし別にいいかと思った。
別れへの足音が近いなぁと感じてしまった。
俺は俺で言い分があり、もちろん喧嘩になった。
一旦は仲直りしたがその後の関係もギクシャクしていた。
そして10月末くらいに別れることになった。ちょうど1年くらいの関係だった。
割と引きずることなく切り替えた俺はこの頃から勉強するようになった。
正直勉強するのがかなり遅いスタートになった。
勉強はしていたが俺は相変わらず成績が伸び悩んだ。
遅いことを自覚していたがそれでも勉強していた。
その甲斐あってか年末頃にはMARCHレベルの赤本は不安定ではあるが7~8割ほど取れるくらいにはなった。
センターパックの問題も調子がいいときは9割くらいとれた。
点数が安定しないことが不安ではあったが学力が伸びていることは感じた。
そして年を越してセンター前日となった。
俺はこの日は塾を少し早く出た。行きたいところがあったのだ。
塾から自転車で10分くらい。俺は目的地に着くや否や自転車を降りた。
3年前に三浦と小沢と一緒に行った神社だった。
なんでか俺はここにきてしまった。1人で。
3年前は三浦と手を繋いだなとか考えていた。三浦のことを忘れていたと思っていた俺は忘れられていない自分に気が付いた。
財布から10円を取り出した俺は賽銭箱に投げて鐘を鳴らした。
合格しますように、と。
そしてセンター試験が始まった。
両日受けた後に自己採点をしたが過去問を通して過去最低の点数を取ってしまった。
数学物理はセン利合格圏内だったが英語が壊滅的な結果となった。
センター利用は諦めて俺は一般受験で合格しなくてはならないとプレッシャーになっていた。
しかしこの頃は大して目標がなく、志望校も決まっていなかった。とりあえずMARCH以上なんて曖昧なことを考えていた。
2月に入ってから各私大での受験が始まった。
小6から世話になった塾に別れを告げようと思ったんだ。
小6から高3まで通っていたので7年間通っていたことになる。
この塾の中では俺はだいぶ古参になっていてほとんどの先生方には名前を知られていた。
小さい塾だったので先生の数も少なく、ほぼ全員の先生にお世話になったのだ。
さすがにお礼の一言くらいは述べないとなと考えていたんだ。
そして塾に着いた俺はそこにいた人にすぐに気が付いた。
三浦だった。
俺は三浦のことを忘れようとしたが実際は忘れられなかった。
そして約束を思い出した。「俺から告白する」という約束を。
向こうはもうとっくに忘れてしまっているだろうなと思っていた。
俺のことがもう好きではないということも知っていた。
それでも言わなくちゃいけないと思った。
ここを去ったらもう言う機会はないかもしれないと思っていた。
しかし、ついに俺は最後まで言うことができなかった。
結局俺は高校を卒業する間近まであの頃と何一つ変わっていなかったんだなって思った。
向こうからしたら俺が告白することは迷惑だっただろうしある意味では正解だったかもしれない。
でも俺は俺がどう思っていたかを伝えたかった。完全なエゴだが伝えたかった。
それができなかった。
自己嫌悪に溺れていた。馬鹿を通り越して俺は自分にあきれ返っていた。
結局約束を守ることはできなかったと後悔しきっていた。
そして大学の合格発表が全て終わった。
俺は滑り止めの大学しか受からなかった。
所謂Fラン大学ってやつだ。
プライドだけ無駄に高い俺はFラン大学に入学することを拒んだ。
父親に浪人したいと申し出たがお前にそんな資格はないと一蹴された。まぁ当たり前だわな。
そして高校卒業。春休みは特に何してたとかあまり覚えてない。
友達と旅行に行ったくらいだろうか。
こうして俺は高校生活を終えて大学生に向かっていた。
いくら地元が同じとはいえ会う機会など普通はない。
そのうち三浦のことはほぼ忘れていた。
たまに思い出すことはあったが過去の話をしていた拍子に思い出すといった感じでもう好きという感情はなかった。
大学2年の時にバイト先の女の子から告白されて付き合ったがこの子も7ヶ月くらいで別れた。
付き合うということが俺には向いていないのではないかと感じ始めていた。
それでも3年は忙しかった。レポート、課題、バイト、学生生活の中で一番忙しかったと思う。
それでも学生生活はは充実してた方だと思う。俺はこの頃には趣味で人狼を始めていて学校外でも仲のいい人ができた。
遊びに勉強にバイトにとかなり忙しかったがとても楽しかった。
テスト直前に扁桃腺炎を患って大変な目にあったが毎週復習はしていたので完璧とまでは言えないがそこそこの実力は出せた。
そして夏休み、一人旅したり人狼したりバイトしたりと毎日が楽しかった。
後期に入る前に成績発表があったが俺はここでも全単位を修得することができたので3年の後期は必修だけでいい状況となった。
バイトは短期のバイトだったので夏休みにはもう終わっていた。
貯金もそこそこあったので次のバイトも特に探していなかった。
週2の必修のために学校に行ってグータラって感じ。
そんなこんなで10月、今度は人狼をやっていた人から告白された。
これでだめだったら終わりにしようかなと思いつつ了承した。
彼女ができたからと言って特別何かが変わることはなかった。
デートしたり飯食ったりそんな感じだった。
そんなある日、俺はTHE ORAL CIGARETの「トナリアウ」という歌をよく聞くようになった。
割とこの歌が好きだった俺は彼女にも聞くように勧めてみた。
そしたら彼女が突然こんなことを言い出した。
彼女「これさ、二宮の昔の好きな人のこと思い出してないよね・・・?」
俺はびっくりした。確かに三浦のことを俺は彼女に話していたがもう俺は三浦のことを忘れていたとばかり思っていた。
不意に核心を突かれたと思って一瞬反応できなかったがすぐにこう返した。
俺「そんなわけw さすがにもう忘れてるよw」
彼女「よかった」
そうか、俺はまだ忘れられていなかったんだな、なんて思ったりしてしまった。
彼女がいるのになんて最悪なことしてんだろうってその時思った。
年を越して2018年、俺は初詣に向かった。
人生で数える程度しか初詣に行ったことのなかった俺は人の多さにびっくりした。
初詣を終えた俺は近所のラーメン屋で夕飯を食った。
駅まで歩こうとしたときに彼女から電話が来た。
彼女「今日会える?」
俺「少し遅くなるけど会えるよ」
彼女「遅くなるのか、だったら他の人と遊ぶから今日は大丈夫~」
俺「ほいほい」
こんな感じの会話だったと思う。結局俺は終電くらいに地元に帰ることとなった。
会いたくても会うことができない人に俺は出会った。しかも同じ電車の同じ車両の同じ座席列にいた。
これは神がくれた最後のチャンスだとさえ思った。普段神を信じない俺がこんなことを思うほどにそれは奇跡だった。
どうしよう、何を言おう、どうやって声をかけよう、そんなことばかり思ってた。
三浦の最寄り駅までは時間あるしその間に心の内を決めて話しかけよう、そんなことを思ってた。
でも当時の俺には彼女がいた。これは彼女を裏切ることになるのではないか、とも考えた。
いや、想いを伝えるだけならいいじゃないか、別に付き合うわけではないし、向こうは俺のことを好きではない、そんなことも考えていた。
葛藤が始まった。あまりにも考える時間が少ないと感じた。電車よ遅延してくれとすら思った。
そうして悩むこと数十分、ついに三浦の最寄り駅についてしまった。
どうする、どうする、ドアが閉まってしまう。
電車の中で悩んでいたから気づかなかったのか電車には多くの人がいた。
その人達が一斉に降りて行った。この駅も田舎にしてはなかなか大きな駅で降りる人が多かった。
見失う。嫌だ。もう見失いたくない!
俺は閉まる直前のドアめがけて走っていた。
俺は駅のホームに立っていた。
三浦を探した。まだ階段を下りていたところだった。人が多いくて追い付けないので改札を抜けてから話しかけようと思った。
改札を抜けた。改札前の階段を下りている三浦を見つけた。
今しかない、俺は声をかけようとした。
ところが、俺の思考と行動が一致しなかった。
なぜだ、なぜ声が出ない、一言声をかければもしかしたら立ち止まってくれるかもしれないのに・・・。
俺は三浦との話し方を忘れていたのだ。中学3年の頃の俺はそこにはもういなかった。
迎えの車に乗る三浦の姿を俺は見ていることしかできなかった。
俺には彼女がいるんだしこれでよかったんだよなと自分に言い聞かせるしかなかった。
誰かに想いを伝えるのがこんなに難しいと思わなかった。別に交際を申し込むわけではないのに、届かないとはこういうことかと感じた。
冬の夜風が俺を憐れむようにように木々の葉を揺らしていた。
3月になれば就職活動が始まった。
ESやSPIテストはほぼ全部通ったが面接がネックだった。
第一志望の企業にあと一歩というところで落ちた俺はホワイトならもうどこでもいいやといった感じで適当に就職先を探した。
7月までに内定を2社から頂いたが、何となく雰囲気がよさそうという曖昧な理由で片方を選んだ。
これで俺も社会人か、なんて思ってた。
これまでの学生活は楽しかったし4年の研究生活もそこそこうまくいってた。16年の学生生活は楽しかったはずだった。
しかし、なぜだか俺は心に鉄の塊でもぶら下げている気分になっていた。
あのとき三浦と付き合ってたらどんな学生生活だったんだろうなと考えるようになっていた。
8月、俺は彼女と喧嘩した。
その勢いで俺は彼女に別れようと言われた。
この調子ならいつか言われるだろうなと思っていた俺は渋ることなく了承した。
LINEする相手がいなくなった俺は暇になったので「斎藤さん」という通話アプリをインストールした。
暇だし誰でもいいから適当に話そうかなと考えていた。
しかし俺は男、30回くらい連続で切られていた俺はいい加減時間の無駄だと思いそろそろやめようかなと思った。
そんな時とある女に電話がつながった。こいつの名前は小谷としよう。
こいつと2時間くらい話した後TwitterのIDを交換してFFになった。
LINEも人狼関係の人が多かったのだがもう連絡は取らないしと思った俺はLINEのアカウントを削除して新しく作り直した。
一部の友達と家族くらいしか新しいLINEのIDを教えていなかった俺は適当に友だちの数を水増ししたいと思って小谷からLINEのIDをもらった。
まあ齋藤さんで知り合った人間なんて3日もすればLINEなんて来なくなるだろうと考えていた。
しかし、なぜか1週間くらい経ってもLINEが来ていた。
なんでこんなに送るのか、正直会話のネタに尽きていた俺は小谷に聞いたんだ。
俺「お前よくLINE送ってくるね。暇なん?」
小谷「引っ越したばっかでこっちに友達がいないんだよね」
どうにも小谷は引っ越してから2ヶ月くらいしかたってなかったらしい。
こいつは俺と同い年だったが高校を卒業してから働いていたので社会人だった。
仕事の関係で引っ越してきたんだが職場の人間は同年代の人間がいないことや人が少ないことから友達ができなかったらしい。
年が同じことや住んでいるところが近いということがわかった俺は自然に小谷と話すことが多くなった。
そのうち小谷とはカラオケに行ったり飲みに行ったりする仲になった。
そこそこかわいかった小谷に俺は質問をした。
俺「おまえ彼氏とかいらないん?」
小谷「今はいらないかな~。仕事覚えたいしやりたいこともいっぱいある!」
俺「そか」
珍しいと思った。俺はこのくらいの年代の女の人は彼氏を欲しがると思っていたからだ。
まぁ彼氏作らないなら俺も友達としてやりやすいなと思った。
仲のいい友達が全員別の研究室に配属されて交流が少なくなった俺としては貴重な遊び仲間となっていた。
俺は論文を書くことに追われていたのだ。
目標にしていた学会があった。
学生生活なら1回くらいはどこかで発表してみたいという考えがあったのだ。
俺のようなFラン大学から日本中の誰もが知るような大学まで参加する比較的簡単な学会だ。
今まで目標を達成することがほとんどなかった俺はこの学会を目指していた。
研究、執筆、それの繰り返しとなっていて正直大学生活の中で一番忙しかった。
忙しすぎて腐るほど愚痴をたらしていたが目標に向かって頑張ることに悪い気はしなかった。
年が明けてから小谷とのLINEが激減した。
小谷が地元に帰っていた間はLINEの数が減ることは容易に考えられた。
しかし地元から戻ってきてもほぼ毎日送ってきたLINEが全然来なくなった。
疑問になった俺は小谷に聞いてみた。
俺「なんで最近LINE送ってくれなくなったん?」
小谷「なんとなく~」
ああ、こいつは彼氏ができたんだなと察した。俺は適当に返事を返してLINEを終わらせた。
彼氏がいるであろう女にLINEをするのは気が引けるのでLINEを送らないようにしていた。
そして俺は何とか論文を締め切りに間に合わせることができ、学会に登録した。
丁度そのくらいの時期に小谷から連絡が来ていた。
カラオケに行こうと誘われたのだ。
断る理由も特になかった。彼氏がいるだろうと思っていたが確信はなかったのでまぁいいかと思って行くことにした。
小谷の職場の最寄りまで行った俺は小谷を待っていた。
俺は駅でしばらく待っていた。
間もなくして仕事を終えた小谷がやってきた。
小谷がアニバーサリーリングをはめている姿を見て俺は「こいつに彼氏がいる」と確証した。
しかしその点に関して何も言ってこない小谷は隠しているのか知らないが俺も何も言わなかった。
俺は小谷に1つ質問を投げた。
俺「まったく連絡取っていなかった人に久しぶりに連絡取ろうと考えた時、お前ならどうする?」
小谷「それって二宮の好きだった人のこと?」
俺「そう」
おれは過去に三浦のことを小谷にも話していた。
小谷「私なら連絡する。連絡先知ってるなら絶対する。」
俺「でも相手に迷惑かかっちゃうとか考えない?」
小谷「知らない。相手にとって迷惑とか関係ない。連絡したくなったら連絡する」
他人事のようになんて思ったがこいつなら取るだろうなとも思った。
この日の俺はカラオケでFLOWのDAYSを歌った。
「あの日交わした約束は砕けて散った」
砕けて散った約束をまだ覚えていた俺は三浦に連絡を取ろうと決意した。
1月の最後くらいだったと思う。
三浦の電話番号を知っていた俺はSMSでメッセージを送った。
「久しぶり、二宮です。久しぶりに連絡を取ってみようと思って送りました。大丈夫だった…?」
こんな感じの文章だった。送信ボタンを押すだけの簡単な作業に俺はいったい何時間とられていたかわからない。
そして俺はついに送信ボタンを押した。俺のSMSが三浦の携帯に送られたのだ。
無視されたらどうしようとか考えてた。
でも、俺は止まった時が少し動いた気がした。痛い表現だが本当にそんな気がしたんだ。
気が気でなかった次の日の昼くらいに返信が来た。
三浦「○○(中学名)の二宮かな?」
返事が来ないと思っていた俺は驚いた。
俺「そうだよ!いきなり送ってごめん。送って大丈夫だった…?」
俺は少し時間をおいてからこんな感じで返信したと思う。
返信が来たことに喜んでいた。何年ぶりに話しただろうかと考えていた。
それは最初から思ってた
途中がアレだから見てる側はそんなにスッキリしないけどそのほうがいいよね
三浦「よく連絡先知ってたね!全然大丈夫だよ!」
この返事に俺は引っかかった。よく連絡先知ってたねというのはなんで連絡先知ってるのという胃が込められていると感じた。
昔交換したのになぁ、なんて少し悲しくなった。が、三浦からしてみれば俺は赤の他人で会って当然の反応かとも思ってしまった。
俺「連絡先残っててさ、久しぶりに連絡取ってみようと思ったんだ。SMSだとお金かけてしまうからもしまだよかったらこっちに連絡して!」
俺はそう言ってメアドをわたした。来ないだろうなと思ってたが俺はこの奇跡に望みをかけたかった。
まぁ現実は非情なもんで、俺は返事が来ることのない日々を過ごすこととなった。
正直連絡なんか来ないよなって思ってた。
なんか追撃するのもキモいと思われるし、てかもうこれ遠回しに避けられてるやんって感じで俺はもう送るのをやめた。
2月は卒業や就職に向けてかなり忙しい日々を過ごした。ほぼ毎日研究室に行ってた。
先生から叱咤されるし、誰とも遊ぶことはできないしでマジでストレスがたまっていった。
それでも学生の内に学会発表をするということを目標としていた俺は頑張った。
そして3月、ついに俺は学会で発表をし、無事に学会を終了させることができた。
貴重な体験だったと思う。他の大学の研究も聞くことができて楽しかった。
俺は卒業論文の評価は最高評価をもらうことができ、あとは卒業を待つ日々となった。
返事が来ないことを俺は正直受け入れられなかった。
せめて想っていたことを言いたい、いうだけなら別にいいだろう、と思っていた。
でもやっぱ返信が来ないのに自分からまた連絡を送るのはマジでストーカーじゃねえかって思ってた。
ひょっとして俺は着拒にされてんのかとすら思った。
卒業前に俺は何とか自分の気持ちを伝えたいと思っていた。
送るためのSMSの文を考えてはいたが俺は連絡できずにいた。
そうしてついに連絡を取ることなく俺は卒業式を迎え、学位を得ることとなった。
こんなもんか、なんて感じだった。
卒業式は友達と写真撮ったり飯を食ったり酒を飲んだりだった。
次の週に飲み会の予定を連続で入れていた俺は金の浪費を何とか抑えたくて早めに帰った。
帰りの電車の中で俺はまた三浦にSMSを送ろうとしていた。
俺も懲りねぇなぁと思った。避けられているとわかっていながら送ろうとしていた自分に惨めささえ覚えた。
SMSを送ることを怖がっていた俺は送信ボタンを押すことができないでいた。
周りに人がいるにもかかわらず電車の中で深呼吸とかしてた。傍から見たら俺はかなり不審者だったと思う。
そして最寄り駅に着いた俺は、再び送信ボタンを押したのである。
俺「度々すみません。前から言いたいことがあったんだけど時間取れる日あるかな?嫌なら大丈夫です!」
こんな感じだったと思う。
まぁ着拒にされてんだろうなと思ってた。それはそれで楽かとすら思ってた。
でもやっぱり言いたかった。直接言いたかった。
三浦が忘れていた約束を俺はどうしても守りたかった。
完全な私欲だけど、相手の気持ちを考えてないと言われそうだけど、それでも言いたかった。
小谷が言った「相手にとって迷惑とか関係ない。」を信じたかった。都合がいいとか思われそうだけど、俺はそうでいたかった。
俺はSMSを送った後に携帯の電源を切った。その日は家についてからアニメを見ていた。
「ぼくらの」を見ていた。現実離れした設定にのめりこんでいた俺は少しだけ自分がSMSを送ったという現実から抜け出していた。
次の日、携帯の電源を付けた。
返事は来なかった。
着拒にされてるなと思った。
その日は学校のやつらと飲みに行ってた。
あの頃に戻りてぇとか思いながら飲んでた。
飲み会が終わって、帰りの電車のなかでは三浦が乗ってきたりしないかなとか思ってた。
当たり前だけど、そんなことはなかった。
最寄り駅に着いた俺はいつもより少しだけゆっくりと歩いて家に帰った。
次の日、なんと三浦から返信が来てた。
三浦「前回は返せなくてごめんね!忙しくて返せなかった。話したいことって何?」
俺は情けなく感じた。忙しいのは本当だろう、ただ忙しいから返信しなかったのは嘘だろうと思った。
返事したくないから返事しなかったとストレートに言ってほしかった。
なんでこんな嘘つかせてんだろうと思ったらすげぇ情けなくなった。
俺「返してくれるだけありがたかったよ。ここ(SMS上)ではあんまり言いたくないから直接がいいな。ねずみ講とかではないから大丈夫!」
送った後にねずみ講ってなんだよ・・・って思った。もうまともな思考力がなかったと思う。
次の日になって三浦から返事が来た。
三浦「逆に怪しい・・・w」
俺「怪しくないけど最近は危ない世の中だから身の危険を感じたなら本当に大丈夫!」
もう俺は途中から直接言うことをあきらめてたと思う。どうせこれでまた返信はこなくなるだろうと考えていた。
実際、次の日もその又次の日も返事は来なかった。
結局俺は学生の間に気持ちを伝えることはできず、好きと言えなかった後悔を引きずりながらこの先も生きていくのかと思った。
数日後、俺は大学の友達と飲んでいた。
飲んだ後にゲーセンで遊んでたらすっかり終電の時間になっていた。
俺は酔っぱらいながら終電に間に合うために必死に走ってた。結構飲んでたからよく吐かなかったなと思う。
直通の電車をなくしていたので俺は乗り換える必要があった。
その乗換駅で中学の友達である木村(仮名)と会った。
木村「二宮じゃん!俺今日で地元最後なんだよね~」
俺「まじかよ!w すげえタイミングで会ったなw」
びっくりした。こんなタイミングで中学の同級生に会うなんてこんなことあるんだなって思った。
思い出話に俺たちは花を咲かせていた。
そうか、中学で出会った俺たちはもう就職なのかと心の中で思った。
あっという間だったなぁなんておっさんじみたことを思っていた。まだ22歳だってのに。
そうしているうちに最寄り駅に着いた。
俺と木村はホームから階段を下っていた。
ここでも俺はすごい出会いを果たした
俺「津田あああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
こいつもまた就職であり、研修帰りだと話していた。
俺は木村と津田を連れて駅前の居酒屋で飲んだ。
そこには同じ中学のやつらがほかにもいて本当に懐かしさを感じた。
談笑を交わし、俺らは居酒屋を後にした。
木村は帰る方向が違ったので居酒屋を出てすぐ別れたが俺は津田と途中まで方向が同じだったので一緒に帰った。
俺は少し話がしたくなったので津田を公園に拉致した。
公園のベンチで中学の頃の思い出をこれでもかとばかりに語っていた。
そんな時、津田はこんなことを言った。
津田「俺はさ、高校もめっちゃ楽しかったし、大学もすげぇ楽しかった。友達にもたくさん恵まれた。でも、一番楽しかったのは中学だな。あのころが一番バカ出来てた。あの時が俺は一番笑ってた。小、中、高、大、一番楽しかったのは、中学校だ!」
そのバカやってたうちの中に俺も入っていた。最高の友達を持ったとその時思った。泣きそうになったが俺は何とかこらえたw
大学に入ってから必然と会わなくなっていた、俺のことなど忘れてると思ってた津田からこんなこと言われて俺は嬉しかった。
BUMP OF CHICKENの「友達の唄」でこんなフレーズがあったことを思い出した。
「信じたままで 会えないままで どんどん僕は大人になる それでも君と 笑っているよ ずっと友達でしょう」
ずっと友達でありたいと思った。
そんなこんなでそのうちだれから告白されたみたいな話になった。
俺「そういえばお前船橋から告られてたよなw」
津田「あった!w めっちゃなつかし~w」
俺が三浦から告られたときに相談した相手である船橋はこの津田という男に告白していた。
津田は船橋を振っていた。
俺は正直船橋にあこがれていた。好きとかじゃなくて、人間としてあこがれていた。
俺が人生で初めて尊敬した人間だった。
努力家で、自分に決して嘘をつかなかった船橋を、俺は本当に尊敬していた。
船橋は天才タイプではなかったが高校も大学も難関校に合格していた。
常に努力していた。自分にまっすぐだった。
津田に告白したのもすごいと思った。自分の好きな相手にまっすぐぶつかれることを俺は尊敬していた。
そんなことを思っていた時に津田から質問された。
津田「おまえは誰から告られた?」
同じ中学のやつから告られたのはすぐ話した。
高校のときに告られたことを話そうか迷った俺は少し濁して返した。
俺「高校の頃は、お前の高校の女子から告られたよw」
津田「うわーw 俺絶対わからね~w 高校の女子とかだれもわからんw」
分からないはずはなかった。なぜならお前が俺に三浦の卒アルの写真を送ってきたからだ。
俺はその場では言わず、うやむやにしておいた。
少ししたら雨がパラパラ降ってきたので俺たちは帰ることにした。
帰ってるときに津田がこんなことを言った。
津田「あ~、中学の頃もう少しモテたかったな~w」
正直津田はイケメンである。こいつが知らないだけでこいつのことを好きな女子が多数いたことを俺は知っている。
その時、俺はふと言ってしまった。
俺「俺が高校の頃告られたの、三浦なんだよね」
津田「あー、なんかわかる気がする、かわいかったよね」
津田はそれ以上何も言わなかった。多分覚えていないのだろうと思った。
俺は何してたんだろうって思った。
そして俺は三浦に最後のSMSを送ることを決意した。
これはもう誰がどう見てもストーカーだった。
俺はもう開き直った。
どうせスルーされるなら自分の思いを伝えてスルーされよう、と。
もう振られたも同然だった。遠回しに避けられてるしわざわざ送る意味もないのではと悟った気でいた。
でも、どうせ振られるなら、せめて自分が思っていたことを伝えて去ろうと思った。
そして3月31日の夜、俺は三度目のSMSを送った。
「どうしても言いたかったので言います。中学3年の頃からずっと好きでした。なんで今更とか気持ち悪いとか色々あるかもしれないけどそんな感じです。もう連絡先は消すので送りません。これ以上送ると逮捕されそうなので。ご迷惑をおかけしました。さよなら!」
ついに言った。俺は約束を守った。しかし、約束を守るにはあまりにも最悪な形となった。
本当に約束が砕け散った瞬間だった。
俺はこのSMSを送ってすぐに連絡先を消した。
こうして、俺の7年間の片思いは終了した。
学生の間に俺は何とか言うことができた。
きれいに終えられたなんてとても言えない。
これ以降返信は来てないからもしかしたら俺のSMSは届いてないのかもしれない。
でも俺は三浦に言えたと思ってるし、少しだけ吹っ切れた。ようやく言えたんだと思った。
そして俺はいま社会人として絶賛研修中って感じだ。
ここまで見てくれたみんなには本当に感謝しかない。
だがハッピーエンドではないんだ。期待してくれた人がいたなら申し訳ない。
俺が言いたかったのは、好きな人がいたらちゃんと想いを伝えてくれよってことだ。
22歳の若造が何言ってるんだって感じだが、少しの勇気で人生を変えられるから、少しの勇気をもって、想いを伝えてほしい。
俺の長話聞いてくれてありがとう。
誰かが津田の詳細を書いてくれって言ってた気がするから少し書いておく。
津田はテニス部の元部長だった。
こいつは中学の頃からすげえイケメンで今もイケメンで彼女もいる。結婚するなら結婚式に呼んでくれって予約しておいた。
あとこいつはすげえモテる。本人気付いてないけど。
そしてすげえいいやつ。泣かせるやつ。大切な友達。
一生のうちに一人でもこういう人間に出会えたのは俺の財産だなと思ってる。
好きな人にはちゃんと直接気持ち伝えようって思えたよ
さんきゅ
ごめん。すごい学生時代だったな
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